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赤坂の福岡家庭裁判所へは、お昼御飯を食べなかった分予約の時間より早く着きました。
エレベーターで上がって窓口に書類一式を提出しました。
調査員に別室で待つように案内されました。
すみ子さんは、調査官の洋服が「いかにも…という色合いで地味すぎる!」とか、「お客さんには、お茶ぐらい出せばいいのに…。」と饒舌です。
8人掛けの大きなテーブルを囲んで、すみ子さんと息子さん、五條堀さんとNPOのメンバー行政書士の4人は、お腹が空いているので、ガムを噛んだり、売店からジュースを買ってきたりして、くつろいで待ちました。
20分程で書類の点検を終えて調査官が来られました。
すみ子さんには、少し席をはずしてほしいと言われ、後見人になる息子さんと五條掘さんだけが部屋に残りました。
・毎日の様子。
・特にいかにいろいろな人に騙されているか。
・大金をおろして、すぐに何に使ったか、何所へやったか分からなくなる様子。
等を細かく説明しました。
今度は、交替して、すみ子さんだけが、一人呼ばれました。
後で、調査官から聞いたところによると、すみ子さんは質問に理路整然と答えられ、
最初は、何ゆえ後見が必要など…と言っているのかしらと思われたそうです。
長く話していくうちに、話のつじつまが合わないところが沢山でてきて、
なる程…と思われていたそうですが、やはり半信半疑で、裁判官が後見と認めるかどうか
補佐ぐらいで良いのでは…と言われるかもしれませんと言われました。
多分どなたが見られてもすみ子さんは、認知症があるなどと思われないでしょう!
特にこんな晴れの日は、気分も高揚し、高級生地のお洋服に、ブランドの時計や指輪を身につけ、どこからどう見ても“上品なマダム”と言ったところでしょう。
双方の聞き取りが20分ずつで終わり地下の売店で収入印紙800円分、登記印紙4000円分郵便切手3380円を買ってきて、書類に貼りつけ、後は鑑定料として10万円を1階の会計にお預けしました。
裁判所に到着してから、全ての手続きを終えるまでに1時間半かかりました。
一歩、裁判所の玄関を出たとたんに、すみ子さんは、「何食べる?どこで食べる?ビールは飲むよね〜!」と張り切っています。
仕事の忙しい息子さんは、少しでも早く鹿児島へ帰りたいと、天神で別れ、他の3人は久しぶりにホテルのレストランで食事をすることに…。
まだまだ、陽は高かったのですが「とりあえず、お疲れ様かんぱ〜い。」
生ジョッキーの味は、格別です。
すみ子さんが、ねぇ、ねぇ!“さっき行ったとこ、何所やった?”と尋ねました。
家庭裁判所!それって…なんするところ?
離婚調停とか…、“えっ! この3人が離婚すると?”
そうそう、みんなで揃って離婚しよう! 離婚しよう!
かんぱ〜い!
ビールが入った3人は、とんでもなく楽しそうでした。
今、後見申し立てをしてきた人達と気づく人は、いなかったでしょう!
ちなみに、すみ子さんは離婚しようにもご主人は40年以上も前に亡くなっています。
(つづく)
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